「欧米」という特殊な日本語

カテゴリー : 英語、語学

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とある医療系国際会議での出来事。

国際会議といっても英語が話せない日本人もなぜかかなり出ていて、彼らの日本語を英語に翻訳する通訳がいる。日本で開催される「国際会議」独特の風景だ。

そこで、とある名誉教授先生が「欧米は」を連発し、日本が遅れていることを、これでもかこれでもかと指摘するのだ。

すると、カナダから参加した教授が言った。

「アメリカと欧州はまったく異なるので、その『欧米』という奇妙な言い方は正しい呼び方ではない!」

もっともなことだ。

アメリカとまったく異なる政治体制、社会思想の系譜に建つ多民族国家カナダにしてみれば、欧州の知的系譜をマジメに継承しながら、アメリカの社会制度、経済制度をよしとしない知識人はゴマンといる。

ただでさえ、アメリカとはまったく異なるお国柄のカナダにしてみれば、「欧米」というよういに多様性をいっさい無視して、均一化して議論するやりかたは、あまりにも乱暴だ。いや乱暴を越えて非知性的なのだ。

たしかに日本にいると、世界を「欧米」、「アジア」、「アフリカ」のように単純きわまりなく輪切りにして議論することがあまりに多い。

英語圏では、「欧米」つまり、European America, American Europe, Europe and the USなんて表現は、とんと聞かない。こんな意味不明な特殊用語が流通しているのは日本だけだ。

その、あたりまえすぎる感覚がまったくない土着系日本人の発言は、なるほど、奇妙きわまりないのだ。

日本にのみ流通する特殊用語辞典をだれか作らないか?売れるだろう。