ドキュメント断食道場

 

昭和62年(1987年)の発刊なので、絶版して久しい本だ。近年の断食本は、健康、病気予防、デトックス、減量、ダイエットといった点を中心にかかれることが主流。27年まえに書かれたこの本は、最近はほとんどお目にかからない、修行や修養といった視点がずいぶんと盛り込まれている。

六因四縁。

p193「六因というのは、①先祖、②両親、③自己の前世、④⑤⑥は現世のおける自分の身・口・意の3つです。身・口・意の三業。四縁というのは、①神、仏、先祖との霊縁、②人との縁、③食物との縁、④環境との縁。」

 このうち、現世に生きている自分の努力や創意工夫のみでは六因の3つ、つまり、①先祖、②両親、③自己の前世は変えることができない。しかし、身・口・意の三業は、三密の修行を積むことによって変えることができる。四縁の、①神、仏、先祖との霊縁。これは、縁の結び方と心がけで変えることができる。②人との縁、だれと会ってどんな話をするのか。ビジネスアライアンスをどうするのか、誰を師と仰ぐのか、誰を友人とするのか、などなど。これも賢慮して変えることができる。③食物との縁、たとえば、健康によくない砂糖、白米、薬依存を抑えて、あるいはやめて、玄米や自然な穀物、そして有機野菜などを食べる。そして、きちんと断食を定期的に行えば、いかようにも、食物との縁を変えて、自分自身を変えてゆくことが出来るだろう。④環境との縁。自動車に乗ることを減らして自転車に乗る。走る、歩く。仕事をするときに、環境のことを考えて、なるべく環境に悪い影響を及ぼさないように工夫する。畑や田圃で農薬や化学肥料を使わない。有機物だけで栽培する。

こう考えてみれば、決定的に重要な10の因縁のうち、なんとか生きているうちによい方向に変えることができるものは、7つもある。

p206「今いきているこの時が人生の一大事と思い、この一瞬に一大事の因縁があると思える人こそ強い人生を送ってゆけるのです」

p213「自分という一個の命は、現世だけの命ではなく、はるかなる昔から生き続けてきた命であり、肉体は滅びても、命は無限の未来に生きてゆく。現世の命はその悠久の歴史のなかの、ほんの短い一時期であり、だからこそ、今生きているということの重大さがひしひしと分かってくる。今生きているこの瞬間を大切にする。これが三世の人生観なのだ。」

p233「やはり60歳までに、少なくとも2~3回くらい断食をして健康な身体を保っておかないといけない。すると老いが楽しみになってくる。」

p248「昔から日本には大切な五つの行事があります。正月七日間、春の彼岸、お盆、秋の彼岸、祥月命日ーこの五回は、ご先祖様が帰って来られる・・・そしてわれらも彼岸に入る。自分の肉体も、心も、霊魂も深くパラミータに入る。しかも断食をもって彼岸に入る。最高のパーラミータです」

 

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