地域のケアリング・ハブを目指す愛媛大学医学部付属病院

カテゴリー : ケア

<副病院長・看護部長の田淵さんらとともに>

このところ年に数回脚を運んで、講演、コンサルティング、コンピテンシー、職務満足調査などの共同研究プロジェクトなどのソリューションを分かち合っている愛媛大学医学部付属病院

写真は前回お邪魔した時のもの。いわゆる院内レストランだが、そのメニューの充実ぶり、質の高さに感動した。本格的な釜めしを供するまでに進化している。食材としてのメニューの質の高さもさることながら、レストランのホスピタリティ、「おもてなし」度合いも、さすがに高い。

医薬、医療機器、診断方法、治療方法など、医学・医療に関わる多様なテクノロジーが複雑に集積する大学病院は、まぎれもなく地方診療圏の拠点病院だ。その意味で、大学病院のマネジメントは医療技術マネジメントとほぼ同義。ただし、技術を活用、利用、応用するのは人なので、ヒト階層のマネジメントがきわめて大事になってくる。

医療・保健・看護・福祉サービスの後方システム、サービス・サポートシステム、サービス・マネジメント・システムづくり、サービス改善など、いわゆる「ことつくり」系のお手伝いをしている。

 

<田渕さん発案のうちわ>

医療界では、臨床の医療チームと患者が直接価値を共創する医療サービスそのもの核心部分=core layer、それらをとりまく各種マネジメントサービスの第2次階層(secondary layer)、そしてさらには患者・家族・関係者のためのホスピタリティサービス=第3次階層(tertiary layer)に分ける医療サービス・モデルがよく用いられる。

この区分けに従えば、たしかに院内レストランやちょっとした「うちわ」などはtertiary layerの第3次的サービスではある。第3次的サービスの質の高さは、1~2次サービスにある程度比例するのではないか?!

気持ちの余裕、品格、そこはなとない気遣い、いたわりの気持ち、おもてなしのセンス、・・・・。

そういったものが組織風土やケアリング文化などを醸成してゆくのだから、第3次的サービスとひとくくりにするのは、ずいぶん近視眼的すぎるのかもしれない。

 

たかが蕎麦屋と言うなかれ。

カテゴリー : 交友

 

オリンピックのつかのま、facebook繋がりの3人のちっちゃな飲み会があり、六本木の蕎麦屋で飲んできた。その3人というのが、ローカルカレッジは早稲田で、プロフェッショナル・スクールは、それぞれ、London Business School、Kellogg、Cornell。

さて、その蕎麦屋、名前をという。聞くところによると、荻窪の老舗「本むら庵」の息子さんがニューヨークで開店し、当地では番蕎麦のうまい店として長年、セレブリティー達の贔屓になってきたという。

その息子さんというのが、KelloggでMBAをとったプロフェッショナルな方で、日本に帰ってきてから開店したのが、HONNMURA AN。実は今回一緒に飲んで食べた女史も、Kelloggのご出身で、この息子さんとは長年のつきあいだということで、このお店で飲んだのだ。

江戸っ子は蕎麦で酒を飲む。この伝統をうまく経営戦略に応用しているのが、HONMURA ANだ。日本酒というよりはワインリストが充実して、客は、ワインなどとともに蕎麦をいただく。しかも店のつくりは、蕎麦屋とはほどとおり、お洒落なbarの雰囲気である。

伝統的なレンジの蕎麦屋では、ビールX日本酒X蕎麦の組み合わせで、客単価は1500~3000円前後が相場だろう。しかし、この店では、各種アルコール、特にワインリストが充実しており、どうしても、ワインが進んでしまう。結果、客単価は7000円超となる。事実、われわれの飲み会も、勘定を〆ると一人当たり9000円。おっと。

既存のものごとの新しい結合(neue kombination)がイノベーションの契機となるとといたのは、シュンペーター。このお店は、素材としての蕎麦、各種料理、アルコール類は、既存のモノだ。これらのモノはバリュー・チェーンに乗って調達され、料理され、客のテーブルに供される。

ポイントは、既存のモノを新しく結合させる「コト」つまりサービスの戦略。六本木で、面白い会話を、面白い場で楽しみたい、美味しいもの好き、新しいモノゴト好きな洒脱な人々が、ちょっと触れてみたい価値の演出が巧みだ。これが、このお店が醸し出している経験価値(value experience)なんだろうね。

このように、offeringは、モノ(product)とコト(service)の新しい組み合わせであり、そのofferingの「場」をいかにデザインしてゆくのかという経験価値つくりの新しい戦略なのである。ただし、offeringは店から客への一方通行ではなく、客とお店が共に創り上げてゆ価値(value co-creation)なんだろう。

たかが蕎麦屋と言うなかれ。かくしてイノベーティブな店でイノベーティブな会話に花が咲いたというわけ。研究テーマとしても面白いかもしれない。