ウェルビーイング(健康・幸福でより良い状態)≒バッドビーイング(悪しき存在)

ある雑誌から依頼があり、ウェルビーイングについて原稿を書いている。原稿のメモがわりに書いておく。

大気汚染物質(特に微小粒子状物質PM2.5やオゾン)は喘息の発症や悪化を引き起こす。空気中の汚染物質もCOPD (慢性閉塞性肺疾患)  のリスクを高め肺炎のリスクを増加させる。

大気汚染は血管の炎症を引き起こし、心臓病のリスクを高め、大気汚染物質は血圧を上昇させ、高血圧のリスクを増加させる。また、大気汚染による血管の炎症や血栓形成のリスク増加は、脳卒中のリスクを高める。

PM2.5やその他の有害物質への長期的な暴露は、肺癌のリスクを増加させるし、大気汚染は脳の炎症を引き起こし、認知症やアルツハイマー病のリスクを高めることが研究もある。大気汚染物質はアレルギー反応を引き起こしやすくし、花粉症やアトピー性皮膚炎のリスクを高める。大気汚染はインスリン抵抗性を引き起こし、2型糖尿病のリスクを増加させることも示されている。これらの疾患は、直接的または間接的に大気汚染物質や温室効果ガスの影響によって引き起こされている。

ならば、これらの忌々しき疾患の原因はなんかのか?人間がウェルビーイングを貪欲に追求したからだ。石油や石炭などの化石燃料を大量に地球から掘り起こし、森林を伐採し、せっせと燃焼し利用したからに他ならない。その結果、地球環境のウェルビーイングをとことん悪化させてしまった。そして、それらのしっぺ返しを食らっている現代人。

ウェルビーイング(健康・幸福でより良い状態)を求めてやまない人間は、いつのまにか、バッドビーイング(悪しき存在)になっていたというなんとも後味が悪い結末が現代だ。だからSDGsやCO2排出規制、GX(グリーントランスフォーメーション)などがかまびすしく叫ばれている。

人のウェルビーイングを考えるときには、人がバッドビーイングになってしまったその本質を押さえておく必要があるのではないか?人間がケアすべきは、まずは環境。そして人間と環境の関係である。それらがあって初めて、人間に対するケアが成り立つのではなかろうか。

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