大和、飛鳥への旅

3/26~3/31まで四駆にアウトドア道具を積み込んで奈良を往復した。新しい大学院にキャリアシフトすることもあり、節目のチェンジ・オブ・エア≒気分転換の旅である。

旅はいい。

一人旅は、なおいい。

旅によって、新たな時空が始まり、新たな意味が横溢するようになる。

飛鳥は時あたかも桜の季節で、厩戸皇子(聖徳太子)の出生地と目される橘寺の境内には満開の桜が香る。

さて、1~2月はウェルビーイングに関する自著の原稿書き=知識のアウトプットに多くの時間をぶち込んだが、3月は、鳥取出張、学会での講演、卒業式、卒業パーティ、退職手続き、研究室の引っ越しなどが目白押しで忙しかった。モノも知識も出すだけでは枯渇してしまうのでout/inのバランスが大切だろう。だからといってはなんだが、3月の読書では、雑読=知識のインプットの方向へ舵を切ることとなった。

ミトラス教の栄枯盛衰の経緯を詳述した井上文則「異教のローマ」、木村凌二「神々のささやく世界」を渉猟しつつ、日本の7~8世紀の古代に興味が移ろい、千田稔「古代飛鳥を歩く」を読んでいたら無性に飛鳥を放浪したくなってしまった。

放浪癖は、読書と旅で解消するほかはなし。というか、読書と旅こそが、放浪癖が向かう先なのだ。

もっとも、昨年の3月は、興福寺阿修羅像、大神神社参拝、三輪山登拝、石上神社、朝護孫寺、法隆寺、というように奈良盆地、とくに平城京を中心に神社仏閣を参拝して車中泊で放浪した。

今年は、メソポタミア、古代ギリシャ、古代ローマ、フェニキアの部族都市等と比較して、7世紀から8世紀の日本の始原の姿をもう一度確認することに。なにせ、人類最古の文明が発祥したシュメールは紀元前年紀3000年の歴史を持つが、ユーラシア大陸の東の隅の日本の古墳時代、飛鳥時代は、「遅れる」こと3500年以上だ。

この遅れをどう見るか?たんなる後進性ではない。遅れることの先進性、アドバンテージがあるからだ。いずれ文章にせねば。

車中2泊、ホテル2泊、民宿1泊。昨年3月の奈良盆地はかなり冷え込み、寝袋2枚を重ねても寒い夜もあったが、今回は羽毛シュラフ1つで十分だった。ともあれ、充実した1週間であった。

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