自転車5台が鎮座する書斎兼ガレージ

はや、2月も第2週に突入である。寒い1月はほとんどサイクリングには出かけず、もっぱら買いだめておいた書物、文献を読み進め、本や論文の原稿をしたためる。とはいえ、自転車趣味は走るだけではなく、寒い季節ならではの、次のシーズンのための準備やメンテナンスがある。野球でいえば、野球場でプレーすることはひかえ、暖かい屋内で野球談議に高ずるストーブ・リーグのようなものか。

ツーリング自転車を本棚に3台立てかけ、あまり乗らないロードレーサーをサイクルハンガーに懸けてある。ここ以外にも、ロフトに8台、そしてとうとう家からあふれ出た2台を大学の研究室に置いてある。合計15台だが、フレームやパーツも含めると20台分は余裕であるのではないか。

さて、書斎兼ガレージは居心地が良い。読書に疲れれば、椅子を回転させて自転車に触る。疲れも癒されるというものだ。この空間には、畢竟、自転車、キャンプ道具、本、そしてパソコンがありさえすればいい。アウトドアライフ、読書、執筆が交わる異界越境的空間が、ここなのである。

昨年はコロナ禍のために、15年ぶり以上に夏の北海道を走らなかった。もう、年中行事のように、札幌の大学で講義する前後の時間で、北海道の大地、原野、森林、湖をところかまわず走ってきたのだが。今年は、なんとしてもコロナ禍に一段落してもらって、というか、抑え込んで、その余勢をかって北海道を走りたいものだ。どのようなコースがいいか。いや、どのようなコースでもよい。走れれば、よしとしよう。

一日中走り続け、温泉で汗を流し、飯を食って、テントに入り、寝袋のなかで泥のように眠る。それが贅沢なのである。その豊饒な時間を夢想する場所が書斎兼ガレージである。この場所は現実を展開する、あるいは、現実と夢想を接続させるトランスレーショナルな、異界越境的な場である。

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