華厳の滝、中禅寺湖、日光白根山

本の原稿書きやら、授業やらで忙しくなかなかブログの更新ができていなかった。とはいえ、旅する余裕はあるので、忙しいというのは言い訳、誇張かもしれない。

久しぶりに冬の日光にでかけてきた。一人で旅する時は、まるで学生の貧乏旅行のように、やれ自転車ツーリングだ、テント泊だ、車中泊だのするのだが、今回は大人しく家族旅行と洒落こんだ。

普段の生活圏からは、筑波山を真北に見るのだが、南南東の方角に見る筑波山は、初めてだ。同じ山でも見る方向で、こうも山容が異なるのは面白いというか趣がある。

だだっ広い関東平野に見入っている人は少数派で、圧倒的多数は、西側に展開する、華厳の滝、その奥の中禅寺湖、さらにその右手奥の方角に鎮座する標高2000メートルの日光白根山、そして、西北の方向に聳え立つ男体山を仰いでいる。はたして、滝、湖、山を一時に視界に収めることができる場所は、日本広しといえどもそうそうない

富士山の麓の白糸の滝、南八ヶ岳の吐龍の滝、北海道のカムイワッカの滝。いずれも風情のある滝だが、遠方からパノラマの一部として遠望できるロケーションではない。滝そのものはゴージャスなナイアガラの滝なのだが、その近くには山などなく、のっぺりとした平野ばかりだ。

敢えてそう思うことで、つまり作為的に認知を自己誘導することによって、この稀有な風景の有難さが増したのである。

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