近畿中央病院での講演@サンシティパレス塚口

ちょっと前の話(2012年3月17日)になるが、近畿中央病院から招待講演に呼ばれた。その近畿中央病院は、すぐ至近にある高額所得者(ストック面)向け介護付き有料老人ホームのサンパレス塚口と、「医介連携」を行っている。その流れで、近畿中央病院での僕の講演がサンパレス塚口で行われたのだ。

格差が拡大しつつある社会において、ストック、フロー両面で裕福な階層にターゲットを絞り込んだ介護付き有料老人ホームである。入居者には、関西財界で名の知れた企業の元社長、役員が多いという。

設計はすべてアメリカのランドスケープアーキテくトを起用し、日本にゴマンとある介護付き有料老人ホーム特有の無機質なクササを排除し、高級ホテルのアメニティを彷彿とさせるシックでエレガントな雰囲気に満ちている。壁、窓、調度品、庭にいたるまで、一貫性のあるケアリング・コンセプトで、デザインされている。

講演会の前の晩と翌日の朝食は、サンパレス関塚の運営会社ハーフ・センチュリー・モアの社長、金沢有知さんとご一緒した。有知さんは金沢富夫氏の息子さんで、その昔、アメリカに渡る前、僕は金沢富夫氏が経営していた会社に勤めていたことがある。

そんなことから、温故知新となったのだ。

さて、入居者は、孤独になりがちだという。いかに、信頼、相互扶助、絆といったソーシャル・キャピタルを入居者間、そして入居者の従業員のネットワークの中に共創(co-create)していくのかが今後の課題だと伺った。そのために、CRM(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)システムなどを導入して、従業員の間で、個々の入居者の生活ログなどを共有してキメ細かなサービス開発の途上にあるそうだ。

高齢化が急速に進む一方、格差も拡大している日本。ここに入居している方々は、そんななかで、なんとかシノギきり、潤沢なストックを活用して、人生の折り返し地点から後半のライフスタイルを良きものにしたいと願う階層が中心だ。

サンパレス塚口は、そのようなニーズに対してのサービス・オファーリングである。

介護と、まちづくり、地域開発は、従来、まったく個別に行われてきたが、ハーフ・センチュリー・モアの取り組みは、なるほど、自由市場における民間イニシアチブによる、それらの統合という面がある。介護サービスのトップニッチ市場での、ひとつのケアサービスイノベーションの試みなのだ。

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ここでのケア・サービス・イノベーションの姿をちょっと一般化してみると:

ケアシステム=(モノ、コト)

Care System = ( Creating thinghood,  Caring relation )

where,

モノ→ハードウェア→ ケアリング・デザイン&アメニティ・デザイン

 (建物、屋内外施設、部屋、風呂、廊下、中庭、ガーデン、図書室、レストラン、ティールーム、などなど・・)

※ケアシステム実現のためのモノツクリの課題

コト→関係性:ソーシャル・キャピタル→ ヒューマン・サービス・デザイン&ケア共創のための関係性マネジメント

 (入居者間関係、入居者従業員間関係、地域の医療機関間関係・・・・)

※ケアシステム実現のためのコトツクリ=関係性つくりの課題

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・・・のようになるのではないか?

いずれにせよ、古い記憶がよみがえり、新しいモノゴトのシャワーに触れたような、とても印象深い講演だった。

 

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