北欧型サービス志向のマネジメント

マーケティングの実践と理論構築ではアメリカがリードしているといわれている。とりわけノースウェスタン大学ビジネススクールで教鞭をとるフィリップ・コトラー先生のマーケティングの理論体系化での功績は大きいと思う。

コトラーはちょくちょく日本に来ている。数ヶ月前に、ノースウェスタン大学B schoolの卒業生がコトラー先生と一緒に写真に納まっている風景をfacebookにアップしていたっけ。

6月にイタリアでサービスを焦点を絞ってさまざまな角度から議論する国際会議The Naples Forum on Servicesに参加してきた。そのなかで、サービスに関するNordic Schoolに属する研究者の発表をたくさん聞いてきた。なるほど、サービスについては、北欧学派がアメリカのマーケティング界も含めて世界を牽引していることを実感した。

さて、帰国してから、札幌市立大学(この大学で客員教授をやっている)の大学院で医療・保健・福祉サービスのマネジメントに関する集中講義を行う機会をもった。毎年夏の恒例となっている。講義の合間に札幌の紀伊国屋をブラブラしている時に遭遇したのがこの本。

この学派の代表的論者、グルンルースによる最も評価・利用されている最新のテキスト(第3版)の邦訳だ。コトラーが本書を評して脱帽したそうな。サービス・ビジネス、サービスマネジメント、製造業のサービス化などを学ぶための必読文献だろう。

と同時に、医療・保健・福祉など本来「サービス」でありながら、そのサービス性にあまり注目してこなかったセクターにとっても実に示唆に富んでいる。

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