断食とサイクリング

「食べるために、食べない」

     そして、

「食べないために、食べる」

こうのように書くと、禅問答のように聞こえるが、実は断食健康法の極意だと密かに思っている。

食べるということは、38億年前に生命が誕生してから、進化を経ながら延々と生命の維持と複製のためにゆらぎながら行ってきた、まさに、生命が生命であるための根本的ないとなみだ。

業といってもいいのかも。牛やブタを殺してその肉を「ウマイ」といって食べるんですから・・・。

さて、断食は拒食ではない。意図的に、朝食を抜く、半日断食、丸一日断食、数日や1~2週間程度の本格的断食などが、いわゆる断食だ。食べる、食べない、を意図のコントロール下に置くのである。だから制御を失った拒食とな異なる。

「食べるために、食べない」・・・心底、感謝の念を持って美味しく食べ物、つまり、命を命たらしめる生命の連鎖の、貴重なおこぼれに預かるために、食べることをやめてみる。

「食べないために、食べる」・・・心身に良いものをいただくことによって、断食をキッチリこなせるようにする。

これらのいのちの輪、サイクルを自覚的、意図的に廻すことが、断食であり、食養。

そして、このサイクルを、側面からサポートしてしっかり廻してくれるものが、サイクリングだ。

駄洒落みたいだが、そう考えればいいと思う。

断食は、前にも書いたようにサーチュイン遺伝子のスイッチをオンにして、老化現象に歯止めをかける。サーチュイン遺伝子は、髪の毛、皮膚、各種内臓、骨、血管、赤血球など体のすみずみに遍く存在している。これらが、オンになれば、アンチ・エイジング効果が顕著になる。これらは数多くの医学論文で明らかにされており、また一般的向けのわかりやすい記事としても紹介されている。

参考サイトなど:

老化を防ぐサーチュイン遺伝子 「腹七分目」で活性化促進

 
 (このサイト、かなりチカラがはいっていて体系的にまとめられている。健康増進法としてもヒント満載。)
 
                                                                
断食を取り入れる健康法の妙に面白いところは、理論を実践にうつし、その実践から自分なりのパターンやモデルといった理論フレームを構築・改善してぐるぐると再帰的に回転させることができるということだ。そして創意工夫の余地は無限。つまり、そのエッセンスは、自分の「カラダ」と「いのち」を張ったアクション・ラーニングということだ。
 
今年は、正月の暴飲暴食の期間が終わってから、意を決して、毎日の半日断食(つまり朝食なし)と1週間に1回の丸一日断食を習慣化することにした。
 
で、自分なりの工夫は以下の4つの組み合わせだ。

(1)アクティブに動き、カラダを使うサイクリングやランニング(カラダを外に向かって使う方向)、(2)読書や論文執筆といった知的作業(不足気味のアタマを用いる知的な方向)、(3)半日断食、まる一日断食(カラダをウチに向かって使う方向)、(4)スピリチュアルあるいはマインドフルに鋭敏な方向にもってゆく(アタマよりもさらに深くて広い方向性)といった4つのエレメント、方向性を組み合わせてやっている。

これらの4つは、バラバラで独立なものではなく、かなり重なっている、あるいは収斂するもののように感じている。

さて、年初から今日まで、毎日が半日断食、そして丸一日断食を18回行ってきた。その結果体重は9kgダウン。ただし、体重が減って一喜一憂するのは本来の断食の姿ではない。体重が減るというのは上っつらの現象で、大切なことは、それが、どのようなエフェクト(効果)に繋がったのかということだ。

以前は、サイクリングで一日140kmくらい走ると、けっこうバテていた。翌日や翌々日は、大腿筋が張って疲労がなかなか解消できなかったものだが、このゴールデンウィークを利用して、一日で200kmを完走することができた。このルートには高い峠や山地があるわけではないので、まあ、さほど褒めたものではけっしてないが、去年の自分と比べると、けっこうなものである。

今回は佐倉→多古→飯岡→犬吠崎でまだ十分な余力があったので、利根川を遡行するルートで復路も走り合計200km走破。週1回の丸一日断食による減量、食養(毎日朝食なし、玄米食、肉少なめ、生野菜をたくさん食べる)、ランニング、サイクリングの組み合わせによりスタミナが増しているのを実感。

①体重減量による負荷低下=仕事量=消費エネルギー=体重X移動距離→体重が減ると同じエネルギーで長距離を走れるようになる。
②持久力の向上=長時間走っても以前のようにバテない。以前は140kmが壁だった。
③瞬発力系運動効率の向上=以前はあまり続けられなかったダンシングで10%登坂できるようになった。
④疲労回復力=140km越えてから10分も休めばリフレッシュして、また元気に走れるようになった。

                  ***

①脂肪→ケトン体(短鎖脂肪酸)→エネルギーという回路ができて、②炭水化物→ブドウ糖→エネルギーというパスを補完するようになってきたのだろう(仮説)。ブドウ糖はがんの最大のエサなので、断食による①のパスつくりは、スタミナ増強とともにがん発生予防にもなるだろう。

体が飢餓状態となって体内のブドウ糖が枯渇した時に、体がブドウ糖に代わる “代替エネルギー源” として作り出す『短鎖脂肪酸』、それが『ケトン体』。エネルギー発生回路としてのケトン体回路が体内に生成してこれば、がん予防になる。また、断食は自己融解を起こし糖尿病や高血圧の予防にもなる。と同時に、サイクリングにもプラスになる。

以前は、自転車で走るときは、炭水化物、糖分、水を大量に摂取していた。でも、玄米おにぎり4個とパン2個くらいで200kmをなんとかこなすことができた、というのは遅ればせながらもちょっとした発見。

もうしばらく自分の体でアクション・ラーニング(人体実験)してみる予定だ(笑)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました