書くことの効用

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飲み会で難しい質問をされた。

「なんのために論文を書くのか?」

うーん、研究者としてあたりまえのことなのであまり深くは考えたことはなかった。新規性の強いオリジナルな実証的なアイディアを知的成果として知識社会≒学会に還元するのは当然といえば当然すぎる。

さて、あたりまえかつ当然のことは横に置いて、ペーパーなり書著を書くことの副次的な効用をメモしておきたい。

1)自分の学問を深めることができる。
 
2)これまでのプロフェッショナル生活のなかで蓄積してきたdiscipline, practiceの間の循環運動をまとめることができ、よき人生の一里塚となる。
 
3)論文執筆を知的生活の基本とすることができる。
 
4)英語で書くので、英語writingのたな卸しになる。
 
5)衣食住、健康、家族からのサポートがあってはじめて、論文執筆という知的贅沢をすることができる。生活を整えることができる。
 
6)海外の学会、国際学会で発表する機会が織り込まれるので、知見がひろがる。
 
7)ボケ防止=知的活動水準を向上させることができる。
 
8)ランニング、サイクリングという運動系と論文執筆という知的活動を組み合わせることによって脳の力を強化することができる。Active agingの効果あり。
 
9)運動系と知的作業としての論文執筆を媒介する健康法として断食を位置づけると、非常にオリジナリティに富んだライフスタイルになる。
 
10)以上をまとめると、執筆というのは人生屈指の贅沢なことなのかもしれない。今日論文や本の原稿を書き進めることがきるということは、昨日までの「今日」がある意味、クリエーティブだったから、そして未来の「今日」を豊かにすることだから。
 
まるでハイパーグラフィアのように、書くことそれ自体が、抜き差しならなく好き、を通り越して、まるで新陳代謝のように生きることの一部と化している人間にとってみれば、もちろんこんな正当化はいらないはずだ。
 
 
 
 

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