英語で人生楽しくなる?!

どうやったら英語ができるようになるのか?という質問を、たびたび学生から投げかけられる。

「日々、最低 20 分英語に触れることから始めよう。NHKのラジオ、インターネット、テレビの英語プログラムがいいよ」、「高校の英語の教科書をもう一度全部復習することが大事だよ」というと、きょとんとした顔をされることが多い。


「語学の上達に魔法の秘策のようなものはないんだよ。とくに英語の勉強は地味で地道な積み上げこそがものを言うのさ。ぱっとカナダにやってきて 3 週間ホームステイしただけで、飛躍的に英語力がアップするわけがない。そんな妄想は捨てたほうがいいよ

だいたいこんなことを答える。二十歳のころ、海外を自転車放浪して、英語とのつきあい方を考えていて論文にまとめたことがある。これに関してはもう自分のなかで結論がとっくに出ているので、あれこれ面倒なことや余計なことは考えずに、愚直にやってきている。

日本以外の世界と交流する時は、実務でも学術でも、英語ができなければなにも始まらない。英語ができることが「得」やプラスになるというよりは、むしろ英語ができないことの「損」やネガティブさの程度が急激に増している。ジャパニーズという閉鎖空間で土着的な生活をしていると、日本語だけで難なく生きてゆくことができる。したがって、このことを自覚するのが難しいのだ。

だから、英語ができないことのネガティブさを肌で感じることが大切だ。学術の世界でも、論文を書くなら英語でというのが抜き差しならない大きなトレンドだ。なぜか。内に閉じた日本語だけの土着空間で流通する「和製学問」では、世界に通用する一般性も普遍性もさほどなく、グローバル化する世界で勝負できないからだ。

ともあれ、英語ができる方が人生は楽しくなる。このことにハタと気づき、深く胸に刻み、面白い人生を切り開くテコとして英語を位置づけることが極意である(と勝手に思っている)。

今日、英語を第一言語とする人口アメリカ、カナダ、イギリスをはじめ世界中で 4 億人いる。さらに第 2言語とする人口は 4 億人だ。そして第 1、第 2 言語以外でも英語を使う人口は 8 億人もいる。これらを合わせると約 16 億人となり、世界中で 4 人に 1 人は英語を使っていることになる。英語ができれば、世界中の 4 人に 1 人とコミュニケーションをとることのできる可能性が拡がるのだ。


商談、国際会議、学術会議、国際スポーツイベントなどでは、公用語として英語の地位は高い。さらに、英語を公用語としている国は世界中で 60 以上もある。特にアジア太平洋地域での英語浸透度はすさまじい。もはや英語ができなければ、まさに「話にならない」というのが世界情勢なのである。

科学、技術、学問における英語の地位は、他の言語を寄せ付けない。細かなことを除けば近代以降、科学、技術、経営の普及と英語の普及はほぼ同期している。これは単なる言語の表層の問題ではない。これらの領域の専門用語、そして概念は英語で規定され、話され、伝達され、共有され、記述されるのである。だからこれらの領域で勝負しようとすれば、英語ができなければどうしようもない。好むと好まざるとにかかわらず、英語が世界基準、そして世界的価値に着々となりつつあるのだ。


さて、学部学生には、英検準 1 級程度の英語力はぜひ身に着けてほしい。ただし、単なる日常会話ができる程度の英語を目指してはいけない。その理由は、日常会話レベルの英語力では、当たり前すぎて、個人の競争力や差別化度アップに直結しないからだ。経営学や人的資源論の視点でいえば、この程度の英語力をコモディティ(個性のない日用品のようなモノ)としての英語という。

ポイントは、自分ならではの得意ワザ、他者とは異なる自分ならではのスキルとの掛け算、合わせ技の「道具」として英語を位置付けるということだ。たとえば、民宿やペンションのオーナーが、ちょっとした英語力をつければ、海外からの顧客集客には有利になるし、顧客満足度は各段に高まることになる。本の編集者が英語を体得すれば、海外からの英語情報をいち早くゲットするという競争優位を得ることができる。それと同じように、看護職に就いている若者が、英語力を身に着ければ、例えば、国内での外国人患者への対応、海外でのキャリア追求、英語を用いた看護研究など、合わせ技として英語が「本業」の価値を高めてくれる。


本業との絡みで、英語力を前向きに活用すること。これを合わせ技としての英語活用法という。合わせ技としての英語ができようになると仕事をクリエイティブな方向にもっていくことができるようになる。どんなことでも、クリエイティブにモノコトを進めるのは楽しいものだ。つまり、合わせ技としての英語ができようになると人生楽しくなるということだ。

若者には、ぜひとも、合わせ技の「道具」としての英語を身に着け、人生を楽しんで欲しい。

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