4年に渡る新型コロナウィルス感染症の流行は、経済・社会、人々の暮らしに大きな変化をもたし、近年のICTやAIなどに代表される技術革新の急速な進展により、働き方も含めた社会の在り方が変化している。医療を取り巻く環境も急速に変化し、ライフスタイルが多様化する中で、これまで積み重ねてきた実践を基盤としながら看護管理者として、新たな課題に立ち向かっていかなければならない。
しかし、看護に対するニーズはますます複雑化・多様化し、困難に直面することで、やりがいや仕事の満足度の向上は容易ではない。その背景には、ワーク・ライフバランスの捉え方や、組織で就業することに対する考え方の多様化が影響していると考える。
職員が活き活きと主体的に活動するための環境整備や、多様な働き方への対応が急務であり、看護管理者にとってウェル・ビーイングの知見は重要である。就業面からのウェル・ビーイングの向上が、専門職者としての能力を最大限に引き出し、患者サービスにつながり生産性の向上に寄与し、生産性の向上が就業面のウェル・ビーイングの向上につながり、組織の活力を維持・向上するためには両者の好循環が重要である。
そこで、昨年度人的資源管理の観点からご講義いただいた松下先生を講師にお招きし、発展回として、ウェル・ビーイングと生産性の両者の好循環、そこからの多様な活躍に向けて、看護管理者としての知見を広げ自身がやるべき課題に繋げていきたいと考える。
*ウェル・ビーイングとは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な
状態にあることを意味する概念。