ゆずと蜂蜜

家の庭に生えている柚子の木。夏場には産卵のためによくアゲハ蝶がやってくる。飛来するアゲハ蝶によって、柚子の花粉はオシベからメシベに運ばれて、受粉しやがて実となる。だから柚子の木からみれば、アゲハ蝶は送粉者であり、共生する仲間だろう。しかし、アゲハ蝶は柚子の葉に産卵する。孵化したイモムシは柚子の葉を旺盛な食欲をもって食い荒らすので、迷惑至極な存在でもある。

共に生きるとは、たぶんそういうことなのだろう。お互いの命の維持にとって都合がよいこともあれば、悪いこともある。その帳尻を合わせながら、もちつもたれつ共に生きるということか。

さて、その迷惑な存在に適応した柑橘類の木は、生命を存続させるために、フィトケミカルを出すそうな。ファイトケミカルとは、ある種の化学成分のことで、植物が紫外線や有害物質、害虫などの害から身を守るために作り出す色素や香り、アク、辛味などの成分。抗酸化作用を持つものが多いことから、人体に取り込むと、抗酸化作用による老化予防が期待できる。ファイトケミカルには、代謝の促進、免疫力向上、脳機能の強化などその種類によってさまざまな働きもある。これらには数々の論文によってエビデンスが示されている。

冬になると、そんな思惑も手伝い、黄色くたわわに実った質感溢れる柚子をもぎ取る。今年は蜂蜜につけこんだ。きりっと鋭角的な柚子の酸味と、とろりと芳醇な甘味を湛える蜂蜜はよく合う。毎朝のランニングを終えてから、こいつをお湯で割って飲むと、寒い風を受けながらランニングで疲弊した脚に蓄積されている乳酸が消え去るような心地もしなくはない。柚子が発するフィトケミカルをわが身にしかと取り込んで、ようは元気になるのだ。

GO WILD! GO FIGHT!

そう観想して、柚子と蜂蜜のスペシャルドリンクを飲むと、ますます効いた感じがしてくるから不思議だ。というか無邪気だ。

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