手帳を捨て去った生活、11年目

<かつては、重度の手帳人間だった>

10年以上前は、絶えず手帳を持って生活していた。仕事はもちろんのこと、なんとアウトドアで使うリュックや自転車のフロントバックにも携行していた。スケジュール、連絡先、アイディアのメモ、すべてが手帳ベースだったのだ。

ずしりと重いCOACHの皮のスケジューラカバーにbindex No.0111シリーズを延々と使っていたのだ。とにかくがさばる手帳を持ち歩くのがバカバカしくなって、2008年の11月に、スケジューラと連絡先の管理をGoogle Schduleに全移行した。ほどなくメールや電話番号、コンタクト先の管理もすべてクラウドに移行した。

スマホが手帳がわりになり、クラウド経由で書斎や研究室のパソコンと連動するので、紙の手帳と優雅におさらばである。

なんの問題もない。むしろ、自分イノベーションを兼ねるので、10年を振り返ると、スケジュール管理はおろか、知的作業のコア部分までがクラウドベースになってきている。

つまり、①アイディア出し→②発着想まとめ→③なにかをアウトプットする→④出版などでオモテ社会に繰り出す、という流れもクラウドが中心。

もう手帳の世界には戻らないし、戻れないだろう。

アイディア出しやメモはevernoteにため込む。 本や論文のネタもevernote から始まる。本の原稿となると30万文字を超えるので、 evernote でまとめたテキストを秀丸エディタに移してラインアウト機能をがんがん使って原稿をひたすら書く。

テキストとパワポの図案をセットにして出版社に出す。出版社のほうで割り付けてくれた初稿は紙ベースなので、これ以降、本ができあがるまでの作業は紙の上のアナログの極致だ。

論文は、さほどテキスト量が大部ではないのでevernoteで構想し、構想がまとまったらwordに書き連ねてゆく。このところ、英語圏のジャーナルが主戦場なので、アイディア出しから構想、執筆、アップローダーを用いる提出まで、すべてオンラインで、紙が介在する余地は、もはや皆無。

研究プロジェクトで使う軽量心理学を応用した質問セットもGoogleformですべてクラウド経由。病院の方々がクラウドにアクセスして、回答する。答えは暗号化されてクラウドに蓄積される。研究者のチームがそれにアクセスして分析フェーズに入る。ここでも紙は一切なし。

昨年書いた論文は、①仮説→②サーベイ実施→③データ取得→④データ分析→⑤論文書き→⑥査読者とのやりとり→⑦デジタル出版まで、すべて紙はなし。なのでもはや「ペーパー」ではない。

仕事のメールは大学のメールとgmailを使いわけてエクセキュ―ション。日々のタスク管理は Google Schedule、gmailと連動させているので、すべて一元管理できる。

ただし、知的スループットとアウトプットのすべてをデジタル化してクラウドにぶち込んでいるのではない。コクヨのCampusノート(7mm24行50枚綴じ、ノ-105AN)が使い勝手がいい。研究、業務に関するノートはやはり紙がいい。マインドマップ風にまとめて構成している。

それやこれやで、手帳とおさらばして11年。でも紙のノートは元気に活躍中。紙のノートが、デジタルに完全移行したschedule, task, mail, 執筆作業に中にあって、知的生産の肝心なコアな部分を担っている。

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