ちょっと前になるが、今年も庭に咲いたミモザでリースを作ったみた。それを自転車のリアキャリアに乗せてみる。
ミモザの花言葉はどれも可憐なものばかりだ。「感謝」「友情」「エレガンス」「密かな愛」など。
ミモザは、マメ科・アカシア属、学名はAcacia decurrense var.dealbataと少々長い。原産地はオーストラリアで開花期 は2月~4月。花の時期には木全体が黄色く染まる。黄色い小さな花が集まった球形の花を多数咲かせ、微弱な芳香を漂わせる。ミモザの香りは、ほのかなものだ。風に乗ってしまえば、香はどこかへ流れて消えてしまうほどで、けっして強いわけではない。だから、エレガンスがともない密かな愛ということになるのか。
マメ科だけあって果実は5cm前後の豆果を多数つけ、6月下旬頃には紫褐色に熟し、裂けて種子を飛ばす。ミモザは、夏ごろには来年のつぼみが目で確認できるほどに生長し、つぼみの状態から開花まで半年近くかかる花木だ。
ミモザは写真のように、鮮烈なディープなイエローを体現する。リースにすると花弁は、しだいに枯れて、色は濃い黄色から黄土色へ、そしてくすんだ褐色へと変化していく。この色のうつろいもまたよいものである。
古今和歌集や小倉百人一首に、「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」(小野小町)と見えるが、これらは花(桜)を詠んだもの。しかしながら、桜の花弁の色の変化は、なかなか判別しにくい。でも、ミモザの花の色は、実にdistinguishable(判別が可能)だ。だから、洋の東西の文脈違いはあるのだが、ミモザのリースを眺めながら、この和歌を詠んでみる、そのアンビバレンツさが妙に味わい深くもある。
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