あっという間に年の瀬である。なので来年の展望のひとつについてちょっと記録として残しておく。(そうすることによってコミットせざるを得ない状況をつくるという意味もある)
来年は英語の学術専門書を1冊出版する予定だ。この本、世界中に散らばった研究者や実践者を糾合したアカデミックな専門書だ。Innovative Collaboration in Healthcareというタイトルで、Translational Systems Scienceシリーズの1巻として、カナダの共同研究者キャロル・オーチャード博士と共同編集した専門書だ。版元は学術出版社のSpringer Natureだ。
まとまった時間がとれる年末なので、断食やランニングで血液浄化と体温アップを試みサーチュイン遺伝子をオンにして英語編集脳をシャープにして(シャープになれと念じて)自宅の書斎兼アウトドア・ガレージで最終的な作業をシコシコと行っている。
この本の企画は、3年ほど前に国際共同研究者のキャロル・オーチャード女史と雑談していた折、本を一緒に書いたらおもしろそうだね!という話になり、Springerに提案したところ幸いにも採用となり、出版契約を済ませたものだ。
以来、欧州、オーストラリア、アフリカ、カナダ、日本に活動拠点を置く13人ほどの研究者(章の執筆者は複数人なので全執筆者は40人以上)に原稿を依頼し、提出された原稿をレビューし再提出を求め、さらに査読し、SpringerNatureに提出するというかなりこってりしたタスク群をスキマ時間を用いてマネジメントしてきた。いままで20冊くらい単著で書いてきたが、単著で初めから終わりまで一人で書き仕上げる作業を比べると、編集作業は3倍くらいの時間がかかっていることは大いに反省。
1冊の本を共著することにより、執筆の作業を分担し執筆プロセスを迅速化することが可能だろう。とはいえ共同編集者はコンテンツの構築、ストーリーのデザイン、原稿の微調整に多くの時価を投入することとなる。
英語の本の共著をする際には、もちろん日本語ではなく英語でビジネスライクかつ明確なコミュニケーションを積み上げ、プロジェクトしてプランニングして、各著者に1冊の本に通底する趣旨やアイディアをきちんと伝え、詳細なタスクをアロケートする必要がある。つまり、執筆者を募り1冊の本に仕立て上げるのはプロジェクトマネジメントそのものだ。
とまれ、世界的な学術出版社のもと専門書を編集して英語で出版するというのは有難い経験だと思う。
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