『オーラルマネジメントに取り組もう 高齢期と周術期の口腔機能管理』

 

今度、拙文を寄稿した本のナレソメはちょっと変わっている。なんとメーリングリストから生まれた本なのだ。

専門的な話はこの本に譲るとして、僕は、健康・医療サービス、サービス・イノベーション研究、分野横断的ものことつくりの専門家(?)として、一般社団法人「全国在宅歯科医療・口腔ケア連絡会」というネットワーク組織のアドバイザーをボランティアでやっている。

北海道から沖縄まで、歯科医、医師、歯科衛生士、看護師、栄養士、作業療法士、介護福祉士、大学教員、コンコンサルタント・・・・いろいろな医療系の専門職が、オーラルケアについて、ああだ、こうだ、ワイワイガヤガヤやっているうちに、本を書こうという話が持ち上がり、紙媒体を提供する出版社=デンタルダイヤモンドと御縁が生じ、今年の始めくらいから、企画ができ、拙文1本を提供したというものだ。

一冊の本を書くには、それなりの新しい知見、独創的なアイディア提案、最新動向への洞察、類書にはない切り口・入口の新規性が問われる。

これらの作業をひとりでやるとなると、けっこうシンドいのだ。でも、ネットの時代では、複数のプロフェッショナルが、濃度・密度の濃い、コンテキスト(文脈)に立ち、動態的にイシューを分かち合い、イシューに密接に関係する粘着力が強いコンテンツを紡ぎだすことができる。

おりしも、医療界では「チーム医療」の大合唱だ。口腔ケアという領域でも、もちろん新しいカタチのチーム医療が強く要請されている。そんな状況に投げ込む本も、やはり、チームアプローチ=チームによる価値共創があっている。

編集という知のデザインは、イシュー(コンセプチュアルなテーマ)Xコンテキスト(文脈、流れ)Xコンテンツ(論点、方法論、方法、提言、分析、オピニオンなど)の掛け算だ。医療のような変化が激しいイシューに取り組むには、ダントツのライターが一人で得組むよりは、複数の専門分野を持ったプロが、集合知を出し合って取り組むほうが、結果として、いいアウトプットをエレガントに濾しだすことができる。

このような下地に、ネットは実によくマッチするのではないか。

そうした知がやがて臨界域にまで達すると、たぶん、集団的な表現欲求も一皮むけて、新しい媒体を得るに足るくらいのエネルギーを持つにいたるということなんだろうか?

いずれにせよ、新しいコンテキストに新しいコンテンツが乗るっていることを体感した。内容もさることながら、新しいwriting styleを得たのはけっこうな歓びである。

 

 

 

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