ボルタ君、「ものこと」つくり、町おこし

ボルトならぬボルタ君というそうだ。室蘭へ行った友人からのお土産。ボルトを加工していろいろな造形を試みる。たとえば上の写真は「自転車に乗るボルタ」。

サイクリストの僕にとっては、大変うれしいプレゼントなり。

このボルタくん、実は、室蘭市民、道民、いや全国からも熱いまなざしが注がれ、大注目を浴びてきている。2005年12月 に試験販売を開始、2006年4月に20種類500個限定で第1弾の本格販売開始、 それ以降、ほぼ毎月1日に5種類のボルタを発売してきているという。最近のボルタのバリュエーションはこちら

2007年9月には100種類のボルタくんが完成したそうだ。

さて、ボルタくんを考案したのは、室蘭工業大学に通っていた二十代男性だそうだ。当初、その男性は、遊び心半分くらいで「アイアンフェスタの体験溶接」で製作したことにはじまり、そのサイズを3分の1ほどに小さくしたのが今のボルタシリーズ。

ボルタプロジェクトの面白いところは、ボランタリーなバリューチェン。「ものつくり」にこだわり過ぎて失敗することが多いなかで、ボルトの取り組みはいささか趣が異なる。

学生や商店主、市内公務員、製鉄所職員、ウェブデザイナーといった様々な立場の市民が、企画担当、開発担当(大学)、製作担当、マーケティング担当、PR担当、販売担当というふうに加わっている。「モノ」だけではなく、いろいろな「コト」が人を引き寄せ、バリューチェンを創っているところが面白い。

今ではNPO法人テツプロ(つのまちぷろじぇくとボルタ工房)がバリューチェンのマネジメントを行っていて、ボランタリーかつオープンな価値連鎖を目指しているようだ。プロダクトは単純素朴ながら、オープンイノベーションの一つの姿を見る思いがしなくもない。

思いは、室蘭を元気にする、いろいろな人に親しんでもらえる町おこしだそうだ。それやこれやで、2006年7月にはボルタ工房を設置。また、製作が追いつかずにパート・アルバイトも募集したという。

武骨で無異質でお堅いイメージのあるスチールプロダクトが、ちょっとした工夫で、みんなの参画を得て、なんともいえない愛らしいものに生まれ変わるという意外さとあいまってボルタ人気は急上昇。

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