ハッピーな人はチームに協力する

医療従事者のwell-being(幸福感)が低下すると、ストレスや仕事の満足度が低下し、患者の安全性、患者満足度、コスト抑制にも悪影響をあたえる(Benzo et al., 2017)。 職場環境は、看護師が抱く主観的な幸福度はQWL(Quality of Work Life)を左右し、看護サービスの質や安全に影響を与えていることが検証されている(Nowrouzi et al., 2016)。これ以外にも、英語圏では(というか、グローバル社会では)主観的幸福感が、アウトカムに影響することを指摘する研究が増えている。

ところが日本では、多職種連携と主観的幸福感の関係性はいまひとつ究明されておらず、どのような関係なのかはっきりしない。なので、研究協力病院とチームを作って、多職種連携の実態と主観的幸福感の関係をシンプルな計量心理学の手法を用いて調べてみた。

クラウド上にサーベイシステムを立ち上げて、スマホ、タブレット、パソコンなどで、対象病院の従業員にアクセスしてもらい、有効性と妥当性が確認されている多職種連携の実態と主観的幸福感を計測する質問票を用いてた。主観的幸福感のスコアが高いグループの方が多職種連携の3因子それぞれにおいても得点が高いという傾向がみられた。また,主観的幸福感の「人生満足」は多職種連携の「パートナーシップ」(標準偏回帰係数 0.196,p<0.05),「協力」(標準偏回帰係数 0.240,p<0.001),「調整」(標準偏回帰係数 0.273,p<0.001)の3因子すべてに影響していた。

このウェブサーベイの結果、主観的幸福感が高い専門職は,多職種連携・チーム医療に積極的に「協力」するという傾向が浮き彫りになった。チームで働いたことがある人なら、うなずける傾向だろう。詳細はこの論文まとめてみた。

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